2021.05.22 コラム 幸せを運ぶコンフェッティ
Buongiorno!
前回のマリトッツォに続き、イタリア伝統のお菓子を今日もご紹介します!
コンフェッティ(confetti、単数系はconfetto)
こちら、皆さんきっと見たことがあるのではないでしょうか?
砂糖でコーティングされたアーモンドのお菓子。日本ではフランス語の「ドラジェ(dragée)」という名の方が、馴染みがあるかもしれませんが、もとはイタリア発祥のもの。古くから幸運と繁栄の象徴として愛され続けています。
現在ではアーモンドの他に、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、チョコレートなど多くのバリエーションがあって、色も味もたくさん楽しめます!
このコンフェッティ、実はとても歴史は古く、なんとローマ帝国時代はすでに存在していたという説もあるんです!
コンフェッティにまつわるエピソードもいくつか。
ジェノバ人が、アラブ人やトルコ人からこの作り方を学び、松の実やフェンネル、果物の蜂蜜漬けを、ヨーロッパ中の宮殿へと輸出し、貴族たちに大人気であったとか、
ヴェネツィアではカーニバルを貴族と市民が一緒に祝う時にこのお菓子があったとか。
ちなみに、アラブ出身の医師が子どもたちのために、苦い薬を砂糖や蜂蜜でコーティングしたのがコンフェッティの起源だという説もあるそうです。
現在のコンフェッティに一番近い、砂糖がけのものが生まれたのは、15世紀頃、アブルッツォ州ラクイラ県のスルモーナ(Sulmona)の町。
この地にあるサンタキアラ修道院で、コンフェッティ同士を絹の糸で結び、ロザリオや耳飾りにしたり、花束の形にしたり、一つの芸術作品のように仕上げ、人生における大切なセレモニーを彩るのに欠かせないものとして広まっていきました。
スルモーナにあるイタリア最古のコンフェッティ工場は、古代から受け継がれた伝統的製菓方法を守りながら、現在も稼働中です。
コンフェッティの色ごとに込められた祝福の意味はこちら。
ミックス:誕生日
水色:男の子の誕生と洗礼
ピンク:女の子の誕生と洗礼
赤:大学卒業
ベージュ:結婚15周年(陶器婚)
黄:結婚20周年(クリスタル婚)
銀:結婚25周年(銀婚)
アクアマリン:結婚30周年(真珠婚)
青:結婚35周年(サファイア婚)
緑:18歳の誕生日、婚約、結婚40周年(エメラルド婚)
金:結婚50周年(金婚)
アイボリー:結婚55周年(アイボリー婚)
白:結婚と結婚の周年記念、結婚60周年、サクラメント(キリスト教の儀式)
黒:弔意
イタリアでは結婚式の最後に、チュール布やシルクの小袋に入れられ綺麗にデコレーションされたコンフェッティを花嫁から参列者へと手渡されるのが伝統です。
袋の中身は必ず5粒。
※偶数は日本のご祝儀同様「割り切れる=別れる」を意味するためタブー。
一粒一粒に、幸福・健康・子孫繁栄・富・長寿の意味が込められています。
この小さな贈り物のことをボンボニエーラ(bomboniera)といい、日本の結婚式の引き出物はこれが由来のようですよ。
まだ砂糖が発見されていなかった時代には蜂蜜と小麦粉を使って作られ、砂糖がとても高価で貴重だった時代にも重要なお祝いの時には欠かせない存在だったコンフェッティ。
「多産・繁栄、豊穣」の象徴とされるアーモンドが、こんなにカラフルに可愛らしいお菓子として、生命の誕生や結婚などで今でも大切にされています。
皆さんも、何か特別なお祝いがある時には、コンフェッティを選んでみるのはいかがでしょう?
プレゼントした人にも、された人にも、幸せが訪れますように。
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