2022.06.09 コラム 守護聖人の祝日(その1 “聖人カレンダー”)
Buongiorno!
今年も梅雨の時期になりました。
お出かけするにも祝日がない日本の6月ですが、イタリアでは先日の6月2日が「共和国記念日(Festa della repubblica)」で全土共通の祝日。
そして6月24日はトリノ・ジェノヴァ・フィレンツェが、6月26日はローマが、「守護聖人の祝日(Festa del Santo Patrono)」でお休みです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、イタリアでは各都市に「守護聖人(Santo Patrono)」が存在し、それぞれの聖人を讃えて祝日が設定されているんですね。
イタリアの街々にいる守護聖人とは、言ってみればその土地に宿る氏神様のようなもの。
自分たちが生活する地を守ってくれる存在に感謝するのは世界広しといえども共通するものがあるのかもしれません。
ところでみなさん、「聖人」と聞いてどんな人物を思い浮かべますか?
聖母マリア、ヨハネ、ヤコブ、マタイ、ユダなどの12使徒
パオロを初めとした新約聖書に出てくる人物
アッシジの聖フランチェスコなど修道会の創設者や修道士、教皇・皇后などなど
要は、とても信仰深くほかの信者の模範になる行いをした方々、というわけですね。
そんな聖人の方々の生誕日や殉教の日、特筆すべき活躍の日などを記念日としてまとめたカレンダーがキリスト教にはあるんです。その名も「聖人カレンダー」。
例えば6月でいうと、6月24日は聖ヨハネの日、6月26日は聖パウロと聖ペトロの日。
1年365日、毎日「今日は誰の日?」ということですね。
イタリア人のファーストネームはそうした聖人の名前からつけられていることが多いので、自分の名前と同じ聖人の日を祝うこともあるんだとか。誕生日が二つという感じで、嬉しさ倍増、羨ましいですね!
365日もあるとはいえ、聖人カレンダーに名前が載っていない聖人の方ももちろんいるわけで、11月1日を「諸聖人の日(Festa degli Ognissanti)」として全ての聖人と殉教者を記念する祝日としています。
いまや世界的には10月31日のハロウィンが有名となっていますが、実はこれ「諸聖人の日の前日(英:All Hallow’s Eve)」という意味なんです。クリスマスイブ、大晦日などもそうですが、前夜祭の方が盛り上がり気味ですね。
ちなみに諸聖人の日の翌日、11月2日は「死者の日(Giorni dei morti)」といって、全ての亡くなった方に祈りを捧げる日。日本でいう「お盆」に似ているでしょうか。
日本のカレンダーには大安・友引・先勝などの六曜があるように、イタリアのカレンダーには聖人の名前が。思わず、自分の誕生日はどの聖人の日かな?この日は誰??と1年中眺めてしまいそうですね。
さて、次回は話をイタリアに戻して、イタリアの各都市に設定されている「守護聖人の祝日」についてもう少し詳しく見ていきたいと思います!
A presto!
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