イタリアの祝日
留学/観光前に知っておくと◎!
イタリアの祝日
イタリア全土の祝日は年間12日間あり、それに加えて街ごとの祝日もあります。
1月1日(元旦)、5月1日(メーデー)、12月25日(クリスマス)、12月26日(聖ステファノ)は全土の殆どのお店がお休みで、今でも大切な記念日として受け継がれています。
またイタリアの祝日はパレードや催し物がとても賑やかで、街をおこしてお祝いをします。
そのため、どの祝日も街の特色ごとに違った楽しみ方ができます。
ポンテ(=橋)と言って、日本のゴールデンウィークのように、祝日と土日に挟まれた平日を休みにして連休にしてしまう文化もあります。
もくじ
イタリア全土の祝日
※イタリアの祝日には全土の祝日と、街ごとの祝日の2種類あります
1月1日 元旦(Capodanno/カポダンノ)
1月1日をお正月と決めたのはイタリアです。
新暦(グレゴリウス暦)という太陽暦が制定される前は、それぞれの国が独自のお正月を祝っていました。1580年にローマ―教皇グレゴリウス13世が定めた新暦こそが、現在私たちの知っている元旦です。ローマ教皇の勢力は大きく、18世紀には、新暦がヨーロッパに浸透し、移民したヨーロッパ人がアメリカへも影響を及ぼしました。
イタリアのお正月は、花火やパーティなど、賑やかな過ごし方をします。お友達とお食事をしてワインを飲んで、楽しく過ごすのがイタリア式です
1月6日 公現祭(Epifania/エビファニア)
「公現祭」とは、キリスト教のイエス・キリストの誕生を祝って東方の3人の博士(魔法使い)がキリストの元へ辿り着いた日を祝う祭日です。街のドゥオモ前ではパレードや演奏が行われ、プレゼピオという小さな小屋には3人のお人形が加えられます。
お祭りに参加した子供達は、ベファーナ(Befana)という魔法使いのおばあさんから、キャンディをもらえます。ちなみに悪い子には石炭が渡されます。この日以降はクリスマスの飾りも片付けられ、少しさっぱりした時期になります。
4月21日 復活祭(Pasqua/パスクア)3~4月 ※毎年変動
復活祭とは、処刑されたイエス・キリストが死後3日目に復活したことを祭る日です。この日はローマ・カトリック教にとって、クリスマスと同じくらい大切な日ですが、クリスマスと違って復活祭は毎年日付が変動します。 その日の定め方は「春分の日を過ぎて最初の満月の日の次の日曜日」とされています。
イタリアでは、復活祭本番の1週間前から行事が始まります。「聖週間」と呼ばれ、特に聖木曜日と聖金曜日は、教会でのミサも特別な内容に変わります。聖木曜日から、教会の鐘は鳴らされません。聖金曜日からはお肉を食べることはできず、断食をする方もいます。そして、日曜日にイエス・キリストが復活したことを祝うため、鐘がなり、盛大なお食事を食べることが出来るのです。
この時期のイタリアでは、卵型のチョコレートやコロンバというハトの形のお菓子、伝統的な菓子パンなどが販売されます。
パスクエッタは、復活祭の翌日の月曜日のことを指します。
復活祭の日程は毎年変動しますので、パスクエッタも連動します。この日は、特別な催し物があるわけではありません。春の訪れを感じつつピクニックや山の別荘などに行って、友人や家族とのんびり過ごす方が多いです。
「復活祭で忙しかった翌日は、のんびり郊外で過ごしましょう」、という素敵な祝日です。
4月22日 天使の月曜日(Lunedì d‘angelo/ルネディ・ダンジェロ, Pasquetta/パスクエッタ)3~4月 ※毎年変動
パスクエッタは、復活祭の翌日の月曜日のことを指します。
復活祭の日程は毎年変動しますので、パスクエッタも連動します。この日は、特別な催し物があるわけではありません。春の訪れを感じつつピクニックや山の別荘などに行って、友人や家族とのんびり過ごす方が多いです。
「復活祭で忙しかった翌日は、のんびり郊外で過ごしましょう」、という素敵な祝日です。
4月25日 解放記念日(Aniversario della liberazione/アニヴェルサーリオ・デッラ・リベラツィオーネ)
イタリアの4月25日は、第2次世界大戦の終戦を思い出すための記念日です。イタリアで起きた戦争は少し複雑で、勝利や敗戦というよりも、ドイツ軍によって支配されていた北イタリアが解放され自由を手に入れた、という表現が正しいようです。カトリック系の祝日ではないので教会でのミサはないものの、北部の主要都市では、パレードなどの催しが行われます。
5月1日 メーデー(Festa del Lavoro/フェスタ・デル・ラヴォーロ)
メーデー(May Day)は、「労働者の日」のことを指します。5/1のメーデーは日本のように平日ではなく、祝日になります。美術館やスーパーなどのお店は、昔はほぼ全てお休みしていましたが、今はほとんどのお店が営業しています。もともと「メーデー」は五月祭を意味し、夏の訪れを祝う祭りとしてヨーロッパ各地で開催されてきました。この祭りでは労使双方が休戦し、一緒に祝うのが慣習でしたが、これが1886年5月1日にアメリカで起きたストライキ(「1日の労働時間は8時間にするべきだ!」というデモ)を起源に、現在の「メーデー=労働者の日」になったと言われています。
6月2日 共和国記念日(Festa della repubblica/フェスタ・デッラ・レプッブリカ)
第二次世界大戦後の1946年の6月2日、イタリアは王政を廃止し共和制となることを国民投票によって決定しました。共和国記念日は、その歴史的な日を祝福した国民の休日です。この日、ローマでは祝典に続いて軍隊による盛大なパレードや音楽会が開催されるほか、イタリア全土でさまざまなアトラクションやイベントが開催されます。
8月15日 聖母被昇天の日(Ferragosto/フェッラゴスト, Assunzione/アッスンツィオーネ)
カトリック教でもっとも大切なイエス・キリストの母・聖母マリア様が天に昇り召された日(聖母被昇天祭)を記念した祝日です。別名「Assunzione della Beata Vergine Maria アッスンツィオーネ・デッラ・ベアタ・ベルジネ・マリア」と言われています。
イタリア人は、仕事をお休みしてお友達や家族とバカンスに郊外へでかけてしまうので、8月に入ると大都市からはイタリア人が減ります。お店もどんどん休業してしまいますので、確実に営業している飲食店はあらかじめ調べておく必要があります。お店のシャッターや扉に「フェッラゴストで8月〇日~8月〇日まで休むよ」と書いてあるので、チェックしましょう。
11月1日 諸聖人の祝日(Festa degli Ognissanti/フェスタ・デッリ・オンニッサンティ)
カトリック教会の祝日の一つで、全ての聖人と殉教者を記念する日です。
聖人とは、例えば、聖母マリア、12使途、パオロを初めとした新約聖書に出てくる人たちや、マグダラのマリア、キリスト教の殉教者、修道会の創設者、修道士、教皇・皇后などを指します。簡単に言ってしまうと、とても信仰深くほかの信者の模範になる行いをした方々のことです。
11月2日は対して「死者の日」とされ、イタリア人は先祖のお墓参りをしたり、聖人を讃えたりします。日本でいうところのお盆に当たります。
因みに、諸聖人の日は英語で“オールハロウズ All Hallows”といい、その前日を“ハローズイブHallows eve”と呼びます。このハローズイブが訛り、今日の“ハロウィン”と呼ばれる日ができたと言われています。
12月8日 無原罪の御宿りの日(Immacolata concezione/インマコラータ・コンチェツィオーネ)
カトリック教徒にとって重要な祝日の1つです。
人間は、神が初めて作った人間であるアダムとイブの過ちのために、「罪の性質」を持って生まれるとされています。しかし、キリストの母マリアは、罪を持たずに、その母アンナのお腹に宿ったのです。その日を無原罪の御宿りの日といい、キリスト教徒に祝われることになりました。
イタリアでは、ドゥオモと呼ばれる大きな教会の前にクリスマスツリーが飾られ、無原罪御宿りの日にライトアップされます。点灯式もとても美しく、神秘できですので、ぜひご覧ください。
※イルミネーションなどクリスマスの飾りは、1月6日の公現祭まで飾られています。
12月25日 クリスマス(Natale/ナターレ)
カトリック教徒にとって、とても大切な祝日です。
11月中旬から始まるクリスマスマーケットや、無原罪の御宿りの日を終え、いよいよこの日は、イエス・キリストの誕生を祝います。
イタリアでは、クリスマスを家族と時間を大切にしながらゆっくりと過ごしたり、食事を楽しんだり、大聖堂で行われるミサへ行くのが一般的です。そのためこの期間は市内のお店は殆どお休みです。この日は、静まり返ったサイレントナイトをご堪能ください。
12月26日 聖ステファノの祝日(Santo Stefano サント・ステファノ)
聖ステファノとは、イエス・キリストの12人の弟子に仕えていた7人の奉仕者のうちの1人です。聖書の使徒言行録6章3節によると、「“霊”と知恵に満ちた、評判の良い人」が奉仕者になれるとされ、日々の食事の分配に関する問題を解決するために7人は働いていました。
ステファノは「恵みと力に満ち、すばらしい不思議な“わざ“を民衆の間で行った」と言われていましたが、それをよく思わない人々の思惑により、石打の刑で亡くなってしまいます。ステファノは最後まで「罪を彼等に負わせないでください」と神に祈りながら殉職しました。
この日は、初めて聖人で殉職したステファノを讃える日です。クリスマスの翌日も、イタリア人はゆったりと家族、お友達、大切な日とクリスマスシーズンを過ごします。
都市ごとの祝日
イタリアの各都市に“守護聖人“という、宗教によって定められた賢人がいます。
その守護聖人を讃えるための祝日があるので、各街でどのような聖人が讃えられているのか知るのも趣があります。
以下、主な街ごとの祝日です。
トリノ:6月24日 聖ヨハネ San Giovanni Battista
聖ヨハネ=ヨルダン川で人々に洗礼を施し、イエスにも洗礼を施した聖人
ミラノ:12月7日 聖アンブロージョ Sant’Ambrogio
聖アンブロージョ=ギリシャなど東方の教父たちの思想を学び、イタリア教会の神学の水準を高めた聖人
ジェノヴァ:6月24日 聖ヨハネ San Giovanni Battista
聖ヨハネ=ヨルダン川で人々に洗礼を施し、イエスにも洗礼を施した聖人
ヴェネツィア:4月25日 聖マルコ San Marco
聖マルコ=イエス・キリストの生涯と教えを新約聖書に記した聖人
ヴェローナ:5月21日 聖ゼノ San Zeno
聖ゼノ=北アフリカで生まれ、第8代目のヴェローナ司教であり、街全体をキリスト教に改宗させた聖人
ボローニャ:10月4日 聖ペトロニウス San Petronio
聖ペトロニウス=ボローニャ司教となり、教会を創建し、街の復興に努めたといわれる聖人
フィレンツェ:6月24日 聖ヨハネ San Giovanni Battista
聖ヨハネ=ヨルダン川で人々に洗礼を施し、イエスにも洗礼を施した聖人
シエナ:12月1日 聖アンサノ Sant’Ansano
聖アンサノ=シエナで福音を伝え、最初のクリスチャンに洗礼を施した聖人
ペルージャ:1月29日 聖コンスタンティヌス San Costanzo
聖コンスタンティヌス=ペルージャの最初の司教
ローマ:6月29日 聖ペテロと聖パウロ SS.Pietro e Paolo
聖ペテロ=ガリラヤ湖で弟アンデレと漁をしている時に、イエスに声をかけられ、最初の弟子になった聖人
聖パウロ=イエスの死後、天からの光とともにイエスの声を聞き、回心しキリスト教徒となった聖人
ナポリ:9月19日 聖ジェナーロ San Gennaro
聖ジェナーロ=ナポリで司教の座につき、キリスト教を弾圧され迫害を受けるも無傷で帰って来たとされる伝説ともつ聖人