イタリア現地で本気のイタリア料理修行をしてきた勇者達の
留学中の心の一品を紹介するブログ。
#32
Frico(フリコ)
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Ingredienti
じゃがいも | … | 350g ※メイクイーンが◎男爵よりもイタリアのじゃがいもに近いので。 |
---|---|---|
玉ねぎ | … | 100g |
アジアーゴチーズ (もしくはモンタージオチーズ) |
… | 50g ※これらのチーズがない場合は柔らか過ぎないチーズ |
オリーブオイル (炒める前はバターも可) |
… | 適量 |
塩 | … | 適量 |
作り方
- じゃがいもは皮をむいて、くし切りにします。玉ねぎは薄すぎない程度に、チーズ角切りで小さめに切ります(大きさは上記材料の写真参照)。
- フライパンにオリーブオイルを入れフライパンが温まったら、まずは玉ねぎを炒めます。蓋をしながら火を通していきます。
- 玉ねぎに少し焦げ目が付いたらジャガイモとオリーブオイル・塩を少々を入れます。
- 蓋をしながら、時々かき混ぜながら10〜15分くらい、くしが簡単に通るまで炒めます。
- その後チーズを入れてもう少し炒めます。
- 一旦火を止めてからフォークなどでジャガイモを崩していきましょう。
- もう少し炒めたら、小さめのテフロンに材料を移していきます。
※100均で買える小さいテフロンに材料を入れると形が自然に作られるのでオススメです!! - 少しずつ固まってきたら、ひっくり返し、両面に少しだけ焦げ目をつけていきましょう。
この時、同じ大きさのテフロンを使ってひっくり返せば100%成功します! - お皿に盛り付けたら出来上がり。シンプルだけどすっごい美味しいです!
シナモンやグラナダチーズを入れる事もできますが、味が強くなってしまうので入れ過ぎ注意です。
Q,なぜこの郷土料理を選んだのですか?
家庭でできるものなので。
今は自由に買い物にも行けない状態ですし、常に家にあるもので且つ、貯蔵の効くものですしね。
フリウリにあるGorizia(ゴリツィア)という町のトラットリアで習いました。ここのフリコとチャルソンスが食べたかったので最初から行きたかったお店でした。
このトラットリアは色々旅をしてる時に行ったお店なのですが、お店の方と意気投合して、ここで働いていたわけではないのですが未だに連絡をとっています。
Q,イタリアはどのくらいどこで料理修行されたのですか?
トータル3年くらいです。
働いていた州はプーリア、シチリア、カンパーニャ、ウンブリア、ピエモンテ、トレンティーノですね。
移動の仕方がミソなんですよ。笑
限られた滞在時間の中で、親のこととか色々あって、どうやってイタリア全土見れるかなぁと考えながら動きました。
最初はプーリアだったのですが、先輩の紹介で入れる可能性があるお店があったので、色々まりましたがまぁ繋いでやっとそこで働けるようになり、修行がスタートしました。
そこからどうやって北上するか?を考えました。本当は一つの町に1年いて四季を見たかったのですが時間がないのでそうもいかず。
なので、プーリア(イタリア本土)からみたシチリア(カターニャ)、シチリアからみたプーリアなど、イタリアを多角的に見たかったんです。
ーお店はどうやって探したんだすか?
伝統料理をやってるお店を自分で探して、電話したり手紙出したり、グイダ(案内本)読んだり。無視されたことも多々ありましたね。
日本人ネットワークには頼らずに、全部自分で探しました。
もし、日本人が働いたことがあるお店で、ここが空くからじゃあ次は自分が入る、だとジャポネーゼ(日本人)としか覚えられないのが嫌だったので。
だから今も全部の修行先と繋がっていますし、ノリ、ノリって呼んでもらっています。彼らの記憶の中にしっかり刻んでもらっていると思います。嬉しいですよね。
ー色々周られていますが、一番長かった場所はどちらですか?
ウンブリアはシェフを任されてたので8ヶ月くらいいました。オーナーシェフが何もしなかったので、自分がシェフをしていたのですが、一緒に働く地元のおばちゃん達が楽しくて。バイクで色々山の中を走り回ったり。楽しかったな~。シラクーサでスッポンポンで浮浪者と寝たこともありましたし。笑
シチリアの時はアパートがマフィアに占領されていたので、すく水を止められちゃうんです。だから、広場からお水を汲んできて、ペットボトル何本も持ってそれでシャワー浴びたり。
あと、コウモリと戦ったこともあります。笑
珍道中しかなかったですが、めちゃめちゃ面白かったです。
Q.留学中に楽しかった・辛かった思い出は?
人に騙されたこともありますが、一番は仕事が決まらない時が辛かったですね。
自分のポストがない・決まっていた話がすっぽかされるなど。何のためにイタリアにいるのかを常に考えていました、やはりやりたいことがあってイタリアに行っていますし、イタリアで働いていたという”はく”か欲しくていった訳ではないので。外で寝ることもありましたし、お金がないので本当にひもじい生活をしながら仕事を探してました。
トリノで餓死しそうになったこともありますよ。10個入りのクロワッサンの袋を買って、1個ずつ食べながら生きつないでいたのですが、さすがに貧血で倒れそうになって。
そこに目の前にケハブ屋さんがあって、そのケバブに命を救われたり。笑
今までのお世話になったところを頼れば良かったのですが、そうゆうのはあまり好きではなくて。侍精神ではないですが、一度行くと決めたらもう振り返らず前を向くという感じで。
環境はつらかったかもしれませんが、イタリアそのものが辛いと感じたことは何もないですね。良きも悪くもそれがイタリアですし、全てひっくるめてもイタリアが好きなので。
イタリアにあんなに滞在できることはこの先ないでしょうし、腹立つことはたくさんありましたが、それもイタリアで生きてるなぁって実感できて。
全てが楽しかったです。
Q,イタリアで食べて一番美味しかったものは?
いっぱいあります。
働かせてもらったお店は自分が食べて美味しいと思ったお店ですし全部です。
名もなきお店ばかりですが、それが良かったんですよね。これ!というものは選べませんが、どこが良いですか?笑
何店舗かあげるなら・・
カンパーニャはベターですが、Europeo di Mattozziですかね。すごい楽しませてもらいました。日本で紹介してもらったお店です。
あとは名前忘れちゃったのですが、ナポリの駅近くの サンタルチアだったかな?そこもイリスってお店も美味しかったです。
ソレントのAntica Trattoriaも品の良いお店でした。美味しかったですね。
アベリーノのもっと奥にある街で、(働いていたお店で)フェアをやった時に仲良くなったお店なのですがMascheraという名前のお店も。今はなくなっちゃったのですが。
アルベロベッロにあるLa Cantinaというお店も美味しかったですね。あとAntichi Sapori も。
シチリアのカターニャのCarlo Maria Alberto市場にあるcasalingaというお店が普通のシチリア郷土料理がいっぱい出てくるんですけど、すっごい美味しかったです。丁寧に作られてて最高でした。ガイドにも何も載ってなくて、働いていた時によく前を通っていたのですが、ずっと気になってたお店でした。
馬肉の屋台とかすっごい美味しいですよー!ストリートフードってイタリアの原点というかその街の魂だと思うので。
言い出すとキリないので、この辺で。笑
Q,これからイタリア料理留学へ行く方に一言お願い致します。
アドバイス、そうですね。
今、このように情報が溢れている世の中なので、色々目移りすると思いますが、
「なぜイタリア料理をやっているのか」、「イタリア料理が好きな理由・原点」を常に考え、イタリアに行く意味をしっかり決めてから行って欲しいです。
目的意識を、しっかり持って行った方がいいですから。イタリアに行ってきた、じゃなくてイタリアで何を学んだのか、どう生きてきたのかという証が大事になってくるので。
イタリア料理を生業として生きていくのであれば、一度きりの人生の一部をイタリアで過ごすので、自分の中でこう生きてきた!と胸を張って送れる人生を送ってきてください。
Q,今イタリアにいる方に一言お願い致します。
自分自身の健康面もそうですし、日本の家族も心配でしょうし、不安なことは多いと思います。地域によって死者が多いところもあると思います。北イタリアは特に。
不謹慎な言い方かもしれませんが、悪い事ばかりではないですし、せっかくの修行期間なので、一生に一度こんな経験はないと前向きに。
今イタリアにいて考えられること、行動できることをして欲しいですね。命が迫る経験って日本にいてもなかなかないと思うので、苦い経験になるかもしれませんが、イタリア人と生死を共に分かち合った、本当に貴重な経験ができてると思います。
悲観せずに前を向いて頑張ってほしいですね。
亡くなった方へ追悼の意を捧げて、生きていることに感謝しながらこれからの人生を送ってほしいです。
そういう意味で私も今はチャリティーを毎年やっていますが、イタリアへの感謝を表したくて。今は何が正しいのかも分かりませんが、とにかくイタリアのために自分が出来ることをしていきたいですね
Osteria dello Scudo
オーナーシェフ 小池教之さん
Osteria dello Scudo(オステリア・デッロ・スクード)
- https://www.osteriadelloscudo.net/
- 〒160-0061東京都新宿区若葉1-1-19 Shuwa house101
- 日本イタリア料理界の実力者、小池シェフが夢を形にしたお店。
イタリア全20州の郷土料理を味わうことができ、イタリア料理愛好家にはたまらない。
店内はイタリアらしさを残しつつも上品さがあり、様々なシーンでご利用頂けます。 - チャリティー活動:アマトリチャーナデイ